業界トレンド

半導体業界の転職市場【2026年最新】|求人数・年収・転職難易度を解説

公開: 2026/7/11最終確認: 2026/8/12データ基準: 2026年8月7分で読める

半導体業界の求人数は2018年比で日系3.8倍・外資2.6倍に増加。ラピダスへの政府支援は追加1兆円、年収はエージェント実績で設計職853万円・営業職760万円。難易度・年収・必要スキルを公開情報だけで整理した。

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半導体業界への転職、今からでも難易度は高い?

求人数は2018年比で日系3.8倍・外資2.6倍に急増しており、経験者には売り手市場。ただしプロセス・設計など現場経験が前提の職種は依然選考が厳しい。

定義

半導体とは、電気を通す導体と通さない絶縁体の中間の性質を持つ物質です。シリコンを主材料とし、トランジスタ・集積回路(IC)・CPU・メモリなどの電子部品の製造に使用されます。スマートフォン・PC・自動車・AI等あらゆる電子機器に不可欠な素材です。

読み進める前に

この領域で、自分の経験がどう評価されるか

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半導体業界の転職市場(2026年)

半導体業界の転職市場は、2024年から2026年にかけて急速な拡大を続けている。ニュースで連日報じられる巨額投資の話題に、どこか現実味を感じられない人もいるかもしれない。しかし、公開情報が示すデータは、これが一過性のブームではないことを静かに物語っている。

JAC Recruitmentの調査によると、2018年の求人数を1とした場合、2025年6月時点で日系企業の半導体関連求人は3.8倍、外資系は2.6倍に増えている(出典:JAC Research、2026年3月17日)。伸びが目立つのはプロセスエンジニア、半導体設計、デバイス開発、パッケージ開発である。

市場拡大の背景

なぜ今、これほどの資金と人材が動いているのだろうか。

経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略」(2023年改定)を紐解くと、日本政府が2030年に向けて国内半導体産業の売上高を約15兆円に拡大するという野心的な目標を設定していることがわかる。TSMC(JASM)、ラピダス、マイクロンといった巨大企業による大型投資が相次いでいるのは、この国家的な戦略と無関係ではない。

ラピダスへの政府支援は既に1.7兆円が決定済みで、2026〜2027年度にはさらに約1兆円の追加支援方針が明らかになっている。加えて2025年度中に1000億円、2026年度には1500億円以上の出資も予定されている(出典:朝日新聞・学情転載記事、2025年6月12日時点情報)。従業員数も2024年6月の約400人から2025年6月時点で約1000人に増え、2027年の量産開始時には2000人体制を目指すという。

世界市場の側でも動きは止まっていない。2025年の世界半導体市場は前年比11.2%増の7009億ドル、2026年はさらに8.5%増と予測する調査がある一方、WSTSの2025年秋季予測では前年比22.5%増の7722億ドルという、より強気の数字も出ている(予測機関によって幅がある点は留意が必要)。これほどの規模の投資が、現場の採用活動に影響を与えないはずがない。

主な採用企業(公開情報ベース)

企業分野採用傾向
TSMC(JASM)先端半導体受託製造大規模採用中(公式採用ページ)
ラピダス2nm半導体国産化中途採用中、2027年量産へ増員継続(公式採用ページ・careerup-media)
ソニーセミコンダクタCMOSイメージセンサー継続的に採用中(公式採用ページ)
東京エレクトロン半導体製造装置2025〜2029年、毎年2000人採用予定(決算説明会資料)
マイクロンDRAM・NAND広島工場拡張に伴い採用中(公式採用ページ)

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これらの企業が求めているのは、単なる労働力ではない。それぞれの分野で世界と戦うための、確かな技術と経験を持った人材である。

転職難易度

求人は増えているのに、採用しきれていない。この矛盾こそが、いまの転職難易度を言い表している。

KOTORA JOURNALによれば、2022年には半導体業界のエンジニア求人依頼件数が157%増加した一方、人材数自体は減少しており、企業は募集人員に対して十分に採用できない状況が続いている(出典:KOTORA JOURNAL、2025年5月23日更新)。リクルートの発表でも、半導体エンジニアの求人数は2013年を基準にすると2021年には7.4倍、2022年には13.1倍に達したという。

求人が伸びている以上、経験者にとっては売り手市場である。ただし「未経験でも入りやすい」という話ではない。プロセスエンジニアや半導体設計のように現場経験が前提になる職種と、CAD・EDAツールの操作経験があれば異業種からでも検討され得る職種とでは、難易度がまったく違う。エリートネットワークは、EUVや先端プロセス、車載品質(IATF16949、機能安全)などの経験者にはプレミアがつきやすいと指摘する一方、未経験転職では提示年収が一時的に調整されることもあると述べている(出典:エリートネットワーク、2026年6月11日)。

つまり、経験者にとっては間口が広がっている市場であり、未経験者にとっては「入り口はあるが、条件は選ばれる」市場だということになる。

年収

年収の話をするときは、どの数字を見ているのかをまず区別したほうがいい。転職エージェントが公開する「成約者の想定年収」と、公的統計が示す「平均年収」、そして個別求人に載っている「募集レンジ」は、同じ業界の数字でも中身が違う。

区分数字出典・期間
半導体設計エンジニア(エージェント成約実績)平均853万円(30代前半で900万円前後、40代以降1000万円超の例も複数)JAC Recruitment、2023〜2025年支援実績
半導体営業職(エージェント成約実績)全体平均760.4万円(20代後半549.4万〜50代以上1086.1万)JAC Recruitment、2023年1月〜2025年10月実績
半導体エンジニア全体(公的統計)平均755万円(給与所得者全体平均478万円)厚生労働省job tag(Geekly経由、2026年2月16日)
給与所得者全体(公的統計)平均460万円国税庁 令和5年度民間給与実態統計調査
ラピダス中途(公開求人ベース)一般社員500〜800万円、管理職800〜1400万円careerup-media、2026年6月26日(doda掲載求人を参照した推定)

半導体営業職は役職が上がるほど差が広がる。課長未満693.8万円、課長以上904.9万円、部長以上1172.0万円というJACのデータは、管理職への昇進が年収を大きく動かすことを示している。dodaの求人リストにも、29歳で年収1100万円(月給40万円+インセンティブ620万円)という営業職の例が載っているが、これは個別求人の実例であり、業界平均ではない。

なお、半導体関連の上場企業60社を対象にした有価証券報告書ベースの年収ランキングも公開されているが(semiconductor-industry.com、2025年8月8日)、個社別の具体的な数値は今回の調査では未取得である。ラピダス自体は未上場と見られ、有価証券報告書そのものは公開情報では確認できない。

全社平均年収より重要なのは、あなたの想定年収です

有価証券報告書の平均年収と、中途採用で提示される年収は同じではありません。年齢、職種、専門性、役職、勤務地によって条件は変わります。現在の経歴で検討できる求人と年収帯を、応募前に確認しておくと判断しやすくなります。

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求められる経験・スキル(公開求人情報より)

公開されている求人情報から、求められるスキルの輪郭が浮かび上がってくる。

職種求められる経験・スキル
プロセスエンジニアリソグラフィ・エッチング・CVD等の半導体プロセス実務経験
装置エンジニア半導体製造装置の設計・開発・保守経験
品質管理歩留まり(作ったうち不良でなかった割合)改善の経験
半導体設計デジタル回路設計またはアナログ回路設計の経験。電気・電子系バックグラウンドがあれば他業界からの検討余地もある
営業(外資系)TOEIC700点以上(800点以上で技術交渉にも対応と評価)
営業・技術(国内系)TOEIC600点以上が目安。半導体技術者検定(SECC)、ディジタル技術検定、CAD利用技術者試験が有利に働く

一つめは、製造の最前線で培われた泥臭い経験である。二つめと三つめも同様に、現場での試行錯誤を知る者にしか担えない役割だ。英語力の要件は、外資系と国内系で明確に温度差がある。外資系半導体では海外拠点とのやり取りが日常的なため、TOEIC700点以上を応募条件にする求人が多い(出典:JAC Recruitment、2025年9月最新)。国内系は600点程度が目安とされることが多く、この産業がもはや国内だけで完結しないことを、双方の基準が別の角度から示している。

選考フローと対策

転職エージェント経由の選考は、おおむね次の流れをたどる。各社共通の詳細な選考ステップまでは公開情報では確認できないが、大枠は次の通りだ。

技術面接では、担当したプロセスや装置の具体的な条件、歩留まり改善の実績など、数字で語れる経験が問われやすい。エリートネットワークが指摘するように、EUVや先端プロセス、車載品質関連の経験は評価されやすいプレミア要素であり、面接で具体的なエピソードとして示せるかどうかが鍵になる。

競合企業との比較

採用規模や年収の出し方は企業によって違う。ラピダスは公開求人ベースのレンジを示しているのに対し、東京エレクトロンは採用人数の計画を公表している。

企業・区分公開されている数字数字の種類
ラピダス中途一般社員500〜800万円、管理職800〜1400万円公開求人ベース(有報なし・未上場と見られる)
東京エレクトロン2025〜2029年、毎年2000人採用予定決算説明会資料(採用計画)
半導体設計職全体エージェント成約実績で平均853万円エージェント成約実績(有報ではない)
半導体営業職全体エージェント成約実績で平均760.4万円エージェント成約実績(有報ではない)

ラピダスの取締役会長・東哲郎氏は東京エレクトロンの元社長であり、代表取締役社長の小池淳義氏は日立製作所で半導体エンジニアとして経験を積んだ人物である(出典:半導体Jobエージェント、2024年9月27日)。装置メーカーとファウンドリという立場は違っても、人の流れは業界の中でつながっている。

未経験・異業種からの可能性

半導体業界は完全に閉じた世界ではない。JAC Recruitmentは、半導体設計の未経験転職について「年齢と経験のバランスが注目され、場合によっては他業界で回路設計を経験している方、電気・電子系のバックグラウンドを持つ方などが受け入れられるケースもある」としている(出典:JAC Recruitment、2025年6月11日)。CAD・EDAといったツールの操作経験があれば、入社後のリスキルを前提に検討されることもあるという。

半導体商社のように専門性の高さをそこまで重視しない企業もある一方、半導体メーカーや装置メーカーは自社で研究開発を担うため、機械・電気・電子・化学・物理といった理系分野の知識が有利に働く(出典:マイナビ転職メーカーエージェント)。異業種から検討するなら、どちらの側に近い職種を狙うかで、必要な準備がまったく変わってくる。

この1年の動き(決算・受注・提携)

直近1年で最も大きい動きは、ラピダスへの政府支援の積み増しだろう。既に決定済みの1.7兆円に加え、2026〜2027年度に約1兆円が追加される方針が明らかになり、2025年度中に1000億円、2026年度にはさらに1500億円以上の出資も予定されている。従業員数は2024年6月の約400人から2025年6月時点で約1000人へと増え、2027年の量産開始とともに2000人体制を目指す計画だ。

東京エレクトロンは2023年度第4四半期の決算説明会で、2025年から2029年にかけて毎年2000人を採用する成長投資計画を示している。世界半導体市場についても、2025年は前年比11.2%増(7009億ドル)、2026年はAI関連需要でさらに8.5%増という予測がある一方、WSTSの2025年秋季予測では前年比22.5%増(7722億ドル)というより強い数字も出ており、予測機関によって見立てに差がある。

TSMC熊本工場やキオクシア、ルネサスといった個別企業の直近の決算・増産ニュースについては、今回の調査範囲では確認できていない。転職を具体的に検討するタイミングでは、志望企業ごとの最新の決算資料やIR情報を直接確認することを勧める。

半導体業界の転職市場は、確かな技術を持つ者にとって、かつてない機会を提供している。ただし、その機会の大きさは、企業ごとに、職種ごとに、示され方が違う。次の一手を決めるのは、公開されている数字のどれを、自分の経験に重ねられるかにかかっている。

なぜ転職支援サービス経由で求人を確認するのか

  • 募集終了や職種変更など、求人の現在の状況を応募前に確認できる
  • 自分の経験を生かせる職種と、足りない要件を整理できる
  • 職務経歴書で強調する実績と、面接で確認されやすい点を準備できる
  • 年収・勤務地・働き方など、求人票だけでは分からない条件を相談できる

紹介される求人や支援内容は、サービス、職種、募集時期によって異なります。

目的別に選ぶ転職支援サービス3選

希望する職種に近いサービスから、現在扱っている求人を確認してください。経歴や希望条件が複数分野にまたがる場合は、役割の異なる2社を比較すると、求人の幅と支援内容の違いを確認できます。

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向いている方: 製造業・メーカーの技術職を広く探したい方

メーカー・製造業に特化!経験豊富なコンサルが導く転職支援【メーカーズジョブ】

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向いている方: 半導体・機械・電気・ITなど、技術職の経験を生かしたい方

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Samurai Job

向いている方: 管理職・専門職、外資系やグローバル企業も検討する方

Samurai Job

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よくある質問

Q

半導体業界の求人数は本当に増えているのか?

A

JAC Recruitmentの調査では2018年を1とした場合、2025年6月時点で日系企業の求人が3.8倍、外資系が2.6倍に増加している。プロセスエンジニアや半導体設計の伸びが特に大きい。

Q

半導体業界の年収はどれくらいか?

A

エージェント成約実績では半導体設計職の平均が853万円、営業職が760.4万円(JAC実績)。ラピダスの求人ベースでは一般社員500〜800万円、管理職800〜1400万円とされる。

Q

半導体業界は未経験でも転職できるか?

A

CAD・EDAツールの操作経験や電気・電子系のバックグラウンドがあれば検討余地がある。一方でプロセス実務や設計経験が前提の職種は難易度が高い。商社系は専門性の重視度が低い傾向もある。

Q

外資系半導体企業への転職に英語力は必要か?

A

外資系ではTOEIC700点以上を応募条件にする求人が多く、800点以上なら技術交渉にも対応できると評価される。国内系は600点程度が目安とされることが多い。

出典・参考情報

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本記事の情報は2026年8月のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

次にやること

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